一刻も早く苦しみから逃れる為に取るべき行動|適応障害に勝とう

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環境への適応力を高める

医師

環境の変化を契機に発症

人間は環境への高度な適応力を発揮することで、他の動物にはない独自の進化を遂げてきました。動物や植物の中には驚異的の適応力を持つ種も存在します。人間ではとても生きられない過酷な自然環境下でも、一部の生物は生き延びられるのです。種によって適応力に大きな差があるように、同じ人間の間でも適応力には個人差が見られます。中には高い身体能力や精神力を背景に、厳しい環境でもうまく適応できる人もいるのです。その一方では、新しい環境にうまく馴染めないで苦しむ人も少なくありません。概してストレスへの耐性が高くない人ほど環境への適応力も低いために、新しい環境から多大なストレスを受けてしまいます。ストレスに耐える力も個人差が大きいものです。ストレス耐性が高い人もまた、限界までストレスを溜め込む傾向があるので病気になりにくいというわけではありません。とは言えストレス耐性が低い人が環境の変化にさらされた場合は、適応できないままストレスで参ってしまうことが多いのです。急な環境変化についていけず強いストレスを受け続けているうちには、さまざまな精神症状や身体症状が現れてきます。気分の落ち込みや不安はもちろん、時には怒りや過度の緊張といった形で精神症状が出ることもあります。ストレスが原因で頭痛や腹痛・めまいなど体調不良を訴えるケースも珍しくありません。人によっては暴飲暴食や無断欠勤・不登校など行動面での障害となって現れる場合もあります。こうした症状は誤解されやすく、周囲から詐病や問題行動と受け取られることで苦しみが増してしまいます。精神医学の分野では、以上のような原因に基づく症状を病気として扱うことで問題解決を図ってきました。その病名は適応障害と呼ばれています。以前であれば病気と見なされなかった症状でも、精神医療の対象と見なすことで治療が可能になるのです。精神科または心療内科が治療の場となります。

適応力は高めることも可能

精神科や心療内科では、適応障害の治療方法として主に心理療法を実施しています。現在では多くの精神疾患治療に効果的な薬が開発されており、薬物療法が有効な病気も少なくありません。しかしながら適応障害の治療で薬を処方する場合は、あくまでも対処療法です。基本的には精神科医やカウンセラーとの対話を通じた治療により、適応障害を治していくことになります。まずは症状の原因となっているストレス因子を、可能な限り取り除く試みからスタートします。適応障害がうつ病など他の精神疾患と違う点は、ストレスの直接原因から離れれば症状が消失する点にあります。そのためストレスの除去が如実な治療効果を発揮するのです。とは言え、ストレスの原因を完全に取り除くのが難しい場合も少なくありません。職場環境が原因なら休職が効果的ですが、家族が原因の場合はストレスから離れられないものです。そんなケースで大きな治療効果を発揮しているのが、精神科や心療内科で実施する心理療法です。適応障害の治療では主に認知行動療法や問題解決療法が使われます。認知行動療法はうつ病など心の病気の治療で幅広く行われている方法です。ストレス原因に対する受け止め方や考え方を変えることによって、適応力が高められると考えられています。問題解決療法では患者さんとカウンセラーが協力し合いながら、環境に関するさまざまな問題の解決方法を見出します。人間の持つ適応力というのは、確かに先天的な要素も無視できません。しかしながら後天的に獲得する能力によって、適応力を高めていくことも十分に可能です。精神科や心療内科で受けられる心理療法は、その人の持つ適応力の限界を自分自身の力で押し広げていく方法とも言えます。精神医療の場とは、環境適応ノウハウを学ぶ場でもあります。適応障害に苦しんでいた多くの患者さんが、治療を通じて新しく生まれ変わった自分を見出しているのです。